2012年11月

レアアースは中国にとって武器なのか…それともビジネスなのか?―中国報道

中日間の「レアアース」問題をどのように理解すればよいか。レアアースは「相手をけん制する武器」なのか、それとも「ビジネス」なのか。同花順網が伝えた。

「人民日報」は2010年、「中国のレアアース産業は1950年代に始まり、中国はすでに世界一のレアアース資源国、生産国、輸出国になっており、比較的強い国際競争力をもち、レアアース産業は中国有数の有力産業のひとつになっている」と、中国のレアアース産業を評価した。

確かに、市場シェアでは、中国は世界の約90%のレアアース供給を実現しており、大半を精密工業の進んだ日本に供給してきた。08年の中国レアアース鉱輸出は13万9000トンと、世界全体の97%を占めた。だが、こうした局面になったのは、中国が格安でレアアースを供給したこと、地政学的に世界一のレアアース消費市場、日本に近いということがいえる。

事実、米国、フランス、オーストラリアなどはレアアースの主たる供給国だったが、中国は1988年に低価格を武器にこれらの国を追い抜き、米国、オーストラリアなどではレアアース鉱山の閉鎖が余儀なくされた。米国側の推計では、02~05年に、レアアース1kgを生産する環境コストは、米国で約2.8ドル、中国で約5.6ドルだが、中国のレアアースの販売価格は1kg5.5ドルだった。つまり、販売価格が環境コストの下回っている。中国側にも「レアアースの都である江西省カン州市で、レアアースによる汚染の処理に約380億元かかる。だが、レアアース価格高騰の11年に、江西省のレアアース産業の年度利益は65億元だけだった」というデータがある。

このような犠牲を払って、中国はいわゆる「世界の90%を供給する」絶対的市場シェアを手に入れ、それに依拠して、中国のレアアース供給を失ってしまうと、世界の精密工業は行き詰まるとの判断が生まれた。だがこれは事実と相違する。

レアアース代替技術の進歩はもとより、レアアースはパンダのように中国だけが保有するものではない。ひいては中国のレアアース優位性は針小棒大にされてしまう疑いがある。米地質調査所は、中国のレアアース埋蔵量は世界の36%を占めると発表したが、中国が6月に発表したレアアース白書では、実は23%だけだ。

極論を言えば、レアアースは世界市場のビジネス、貿易で、中国のレアアース規制策は、他国のレアアース鉱山の採掘再開を促す。米国の鉱山会社モリコープは10月に、10年ぶりにカリフォルニアにあるマウンテンパス鉱山の採掘を再開した。採掘再開を図る国は米国に限らず、オーストラリア、カナダ、マレーシアなどもある。つまり、「中国だけの供給」というレアアース供給構図には変化が出始めている。10年先のレアアース需要は今の2倍以上の25万トン近くで、世界各地の既存鉱山の採掘再開および新規鉱山の開発に伴い、14~19年に、レアアース供給の伸びは需要の伸びを追い越すと見られる。  事実、日本の中国レアアース依存度も大幅かつ速やかに下がっている。今年上期に、中国からのレアメタル輸入は3007トンで49.3%を占めるが、2000年から初めて50%以下に減少した。日本の中国のレアアース依存度も今年は70%に下がり、13年はさらに50%に落ちる見込みだ。

日本は、オーストラリア、カザフスタン、インド、ベトナムなどで約1万6500トン規模のレアアース資源を確保しており、これらの国からの対日輸出は13年に始まる見通しだ。マレーシアの対日レアアース販売会社は09年に5社だけだったが、今は200社以上に増えた。

レアアース問題において、中国は「武器」ではなく、「ビジネス」で構えるべきだ。「ビジネス」の立場に立って、世界市場で、市場法則に従い、利益の最大化を追求すべきだ。「武器」にすれば、各国の抵抗、訴訟に遭うことを免れない。                                                   YAHOOニュース より抜粋

最東端の南鳥島でレアアース開発が急ピッチ

日本で初めて海底からレアアースが見つかった日本最東端の南鳥島では、海洋資源開発のための拠点作りが急ピッチで進められています。

今年6月に小笠原諸島の南鳥島の排他的経済水域内で、海底からレアアースが見つかりました。このため、国土交通省が中心になって調査船など大型の船が着岸できる港の整備を進めています。また、南鳥島に常駐する海上自衛隊や気象庁の職員が物資の輸送などの支援を行っているほか、島の保全作業も行っています。

海上自衛隊南鳥島航空派遣隊・寺島勝彦隊長:「日本の国旗を立てて、我々、隊員が主権を及ぼすというところを心がけている」 海洋資源開発のための拠点作りは、レアアースの採掘が始まる3年後の完成を目指しています。                                                   YAHOOニュース より抜粋

<レアアース>インドから4000トン輸入へ 16日合意 

政府は13年から年間約4000トンのレアアース(希土類)をインドから輸入する方針を固めた。日本が精密機器製造などのために輸入しているレアアースの15~20%程度に相当する。野田佳彦首相とシン首相が16日に東京都内で首脳会談し、正式合意する。日本はこれまで9割近くを中国からの輸入に依存してきたが、資源調達先の多角化を図り、関係悪化に伴う突然の輸入停止など「中国リスク」を回避する狙いがある。

日本のレアアースの年間輸入量は2万~3万トンで、昨年は約85%を中国から輸入した。そのほかは、米国が約5%、カザフスタンが約3%と規模が小さく、中国への依存が際立っている。10年9月に沖縄県・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の際には、中国がレアアースの対日輸出を停止し、日本企業に影響が出た。日中関係が再び緊張する中、対中依存からの脱却が急務になっており、枝野幸男経済産業相は12日の衆院予算委員会で「来年半ば以降、レアアースの国内需要量の5割程度を中国以外から確保できる」との見通しを示していた。

日印首脳会談では、6月に初めて実施した共同海上訓練の継続や海上安全保障に関する協議など、安全保障面の連携強化でも一致する方向。日印原子力協定の協議を継続することも確認する。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアアース国内需要の5割程度を中国以外から確保の見通し

枝野経産相は衆議院の予算委員会で、中国からの輸入に依存するレアアースについて、2013年半ば以降、国内需要の5割程度を中国以外から確保できるとの見通しを明らかにした。
枝野経産相は「来年半ば以降、おおむね5割程度は、中国以外からも確保できる」と述べた。
枝野経産相は、2013年半ば以降、レアアースのオーストラリアやカザフスタン、インドからの調達にほぼめどが立ち、およそ年2万5,000トンの国内需要の5割程度にあたる、およそ1万3,500トンを中国以外から調達できるとの見通しを述べた。
ハイテク製品の製造に欠かせないレアアースは、国内需要の大半を中国からの輸入に依存していて、日中関係の悪化などで輸出が制限されるリスクが問題となっている。
一方、レアアースへの需要は、今後も増えるものとみられ、枝野経産相は「さらに調達先の多様化、権益確保、国内の技術開発を支援したい」と述べている。                                                   YAHOOニュース より抜粋

中国以外で初…カザフから重レアアース輸入へ

ハイテク産業に欠かせないレアアース(希土類)のカザフスタンからの輸入が、政府の支援のもと来年1月にも始まる見通しとなった。

複数の政府関係者が1日、明らかにした。輸入量は日本の年間需要量(約2万トン)の7・5%に当たる年約1500トンとなり、希少性の高い重レアアースも含まれる。日本は重レアアースの供給をほぼ全量中国に依存しており、中国以外からの輸入は初めて。日中関係の緊迫化を踏まえ、政府は今後もレアアース調達先の多角化を進める方針だ。

カザフスタンにおけるレアアースの開発や輸入は、2009年に住友商事とカザフスタン国営資源企業「カザトムプロム」が合意した。

ウラン鉱山の残土を精錬してレアアースを抽出するプラントが、2日から現地で本格稼働する。                                                   YAHOOニュース より抜粋