希土類磁石について
希土類磁石の概要
サマリウムやネオジムなどのレア・アースと呼ばれる、希少な希土類元素を含んだ永久磁石のことです。粉末焼結で成形されます。
アルニコ磁石やフェライト磁石に比べてきわめて磁気特性が高く、急速に需要が増加しています。
フェライト磁石の6倍以上の磁力を持ちますが、含まれる希土類元素の種類にによりその特性が分かれます。
大別して、比較的特性バランスのよいサマリウム・コバルト系と、安価で磁気特性に優れるが耐熱性と耐食性が弱いネオジム・鉄・ボロン(ホウ素)系があります。
サマリウムとコバルトを組成としたサマリウムコバルト磁石、およびネオジムと鉄を組成としたネオジム磁石の2種類があり、それぞれの長所や特性を生かして使用されています。
希土類磁石は、他の磁石に比べるとはるかに強力な磁気エネルギーを持ち、幅広い分野で使用されるようになりました。
現在では、ハイテク製品になくてはならないものになっています。
ネオジム磁石
ネオジムに鉄とボロンを加えた3成分系であるネオジム磁石。
そもそもは、産出量が少ないために高価だったサマリウムコバルト磁石に代わるものとして、1982年に発明されたものでした。
しかし、数ある磁石の中でも最も高い磁気エネルギーを持つことや、安価なことから各種電子機器への使用が急増し、希土類磁石を代表する磁石となりました。
サマリウムコバルト磁石
1967年にアメリカで発見されたサマリウムコバルト磁石。
この発見により、希土類磁石が磁石市場において、その存在を認められるようになりました。
その後、様々な改良を加えることで、本来の1-5系サマリウムコバルト磁石(サマリウム対コバルトの比が1対5)よりも、高い磁気特性を持つ2-17系
サマリウムコバルト磁石が実用化されました。
2-17系は、現在サマリウムコバルト磁石の主流となっています。