「レアアース立国」に向けて歩み出した日本、道のりは長く

「レアアース立国」に向けて歩み出した日本、道のりは長く

日本は先ごろ、最東端の南鳥島の排他的水域でレアアースが含まれた海泥を発見した。日本経済産業省の報告書は、「この鉱床のレアアース埋蔵量が中国の陸上鉱床の10倍を超え、日本の数百年間の消費分に相当し、水深数メートルの浅海に埋蔵されているため、採掘が容易だ」と指摘。ホンダはハイブリッド車のニッケル水素電池からレアアースを抽出し、これを原料にニッケル金属水化物電池を再製造する。また山口大学や愛媛大学、東京大学の共同研究グループは、「三重県でレアアースの含まれる新種の鉱物を発見した」と発表した。日本新華僑報網が伝えた。

日本では電子工業や自動車製造業、精密製造業などの中堅産業のレアアース需要が多い。従って、中国のレアアース輸出規制は日本を苦しめている。日本はなんとかしてレアアース備蓄を拡大し、レアアース代替品の研究に予算を投じている。最近のレアアース資源発見や研究の進展は日本がレアアース資源の自給に向けて重要な一歩を踏み出したことを意味する。

これは日本にとって、「レアアース立国」への夢の実現が近いことを意味しているのか? さまざまな要因を考えれば、その道のりは長いと言うほかない。

まず、日本が南鳥島の排他的水域で発見したレアアースは日本の最東端にある。産業経済省のリポートは「採掘が容易だ」としているが、海底での採掘である以上、電力消費は高く、コストがかさみ、成熟した技術が欠かせない。しかし、海底は生物の生息や活動の場所であり、採掘し過ぎれば、海底生物を激減させるか、あるいは絶滅させ、海洋環境を破壊、取り返しのつかない結果を産むことが懸念される。福島の原発事故が周辺の海洋環境を破壊したことで、海外から厳しい非難を受けている日本は、これを熟考する必要がある。

次に、レアアース発見と商業化は話が別だ。技術面での問題のほか、政治や法律など、一連の難題もある。

昨冬と今春、日本は愛知県渥美半島近くの海底で大量のメタンハイドレートを発見した。2013年に入り、日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構はメタンガス分離抽出試験を行った。これは世界初の海底天然ガス採掘試験で、日本の新エネルギー備蓄に新たな望みをもたらしている。一方、日本各地で新エネルギーへの投資詐欺が相次ぐ。多くの高齢者が「海底資源発電会社の社債購入」へと導かれ、一部は数百万円を騙し取られた。警察が現在、捜査しているとは言え、メタンハイドレートは犯罪者の標的となってしまっている。

日本国内の企業グループや暴力団にとって、レアアースは同様に魅力的なターゲットだ。高いリターンを秘めるレアアースは激しい、または残酷な競争を引き起こすことが必至だ。戦略的な意義のある資源の採掘や利用、計画、管理に対して国レベルで関連法律を打ち出す必要がある。指摘しなければならないのは、これらの法律が国土交通省や環境省などと関連し、互いの協力が必要なことだ。しかし、法的な保障はまだ先の話しだ。

米国のシェールガス採掘は新たなエネルギー革命だとされ、米国政府もシェールガス採掘を経済成長の柱につなげようと望んでいる。現在、日本政府はレアアースやメタンハイドレートに望みを見いだし、米国に倣う姿勢だ。しかし、関連の政治経済や法律の問題をうまく解決しなければ、日本の「レアアース立国」への願いは新たな矛盾、新たな問題、新たな課題に結び付く可能性もある。                                                   YAHOOニュース より抜粋