インド洋にもレアアース泥 東大発見、海洋に広く存在か

インド洋にもレアアース泥 東大発見、海洋に広く存在か

ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)を高濃度に含む海底の泥を、インド洋東部で東京大の加藤泰浩教授(地球資源学)らの研究チームが発見した。レアアース泥が太平洋以外で見つかったのは初めてで、世界の海洋に広く存在する可能性が出てきた。

海底のレアアース泥は、同チームが日本の排他的経済水域(EEZ)内の南鳥島沖などで発見し、資源化を目指している。海洋に普遍的に存在すれば、レアアースの世界産出量の9割を占める中国の影響力が将来的に弱まる可能性がある。

新たに見つかったのはインドネシア・ジャカルタ西方沖約1千キロのオーストラリア領周辺海域。国際共同研究などで採取された掘削試料を分析したところ、水深5600メートルの海底下75~120メートルの場所に最高1113ppm、平均約700ppmのレアアースを含む泥の層があることが分かった。

太平洋と比べて深い場所にあり採掘は難しいが、濃度は東太平洋とほぼ同等で中国の陸上鉱床の数倍。特に希少なジスプロシウムなどを豊富に含むという。

レアアース泥は、地下深部のマントルが上昇する中央海嶺(かいれい)から噴出する酸化鉄などが海水中のレアアースを吸着し、周辺に堆積して形成される。今回の発見場所では、中央インド洋海嶺などの活動に伴い堆積したとみられる。加藤教授は「太平洋だけの特殊な泥ではないことが分かった意味は大きい。他の海域で開発可能な鉱床が見つかる可能性がある」と話している。                                                   YAHOOニュース より抜粋