中国政府によるレアアース(希土類)輸出規制を受け、国内非鉄各社の“脱中国”が本格化してきた。大同特殊鋼が来年1月から国内でレアアース使用量を大幅に削減した高性能のネオジム磁石の生産に乗り出すほか、日立金属も原料を米国で調達して現地生産を始める。ネオジム磁石はハイブリッド車(HV)用モーターや省エネ家電向けなどに急激に需要が伸びているが、中国の輸出規制で価格も高騰しているため、各社とも早期に生産を軌道に乗せる考え。
大同は昨年11月、従来製法よりレアアースの使用量を4割削減したネオジム磁石の開発に成功、2013年1月から生産を開始することを決めた。新工場は岐阜県中津川市に建設し、年間500トンを生産する。
経済産業省もレアアース総合対策補助金などで支援する方針だ。原料は米鉱山会社モリコープから供給を受ける見通しで、「新工場を早期に軌道に乗せ、米国などでも生産したい」(同社)としている。
ネオジム磁石世界首位の日立金属も昨年12月、米国でネオジム磁石工場を新設し、13年4月の稼働を目指すと発表。当初は月産40トンを見込み、順次拡大する計画だ。大同同様、原料はモリコープから調達するという。
最も強力な永久磁石であるネオジム磁石は電気自動車(EV)やHV用モーターなどに不可欠な部材で、レアアースであるネオジムを原料に生産している。
ただ、ネオジム産出量の9割を握り資源囲い込みを狙う中国は10年以降、レアアースの日本向け出荷を制限、価格高騰を招いている。これに伴い、トヨタ自動車は昨年12月に発売したHV「プリウス」の値上げに踏み切るなど、影響が広がっている。
YAHOOニュース より抜粋