中国のレアアース(希土類)問題をめぐり、世界貿易機関(WTO)は26日に最後の協議を行った。日本は中国への依存から脱却するため、カザフスタンと共同でレアアース生産を計画しており、中国メディアの財訊は29日付で、レアアースをめぐる駆け引きは今も続いていると報じた。
日本はカザフスタンとレアアース鉱山を新規開発するため、枝野幸男経済産業大臣は5月にカザフスタンを訪問する予定だ。米国、欧州連合(EU)、日本はレアアースの輸出制限に関して中国を世界貿易機関(WTO)に提訴しているが、中国政府は「レアアースの管理政策は環境資源の保護に基づいており、WTOの規則に合致している」と反論している。
中国政府は近年、レアアース資源の管理を強化しているが、実はそうせざるを得ない事情もある。中国は世界で使用されているレアアースの97%を供給してきたが、レアアース鉱石に含まれている放射性物質のトリウムが深刻な環境汚染を招いているからだ。
しかし、レアアースは中国にのみ存在するわけではない。中国、米国、ロシア、オーストラリアのレアアース埋蔵量はそれぞれ全世界の36%、13%、19%、5.5%だ。
レアアースをめぐって脱中国の動きが加速するなか、中国は今後、WTOの規則に従いつつ管理を徹底することで、国際市場へのレアアース供給を続けていく姿勢を示しているほか、米国や日本をはじめとする先進国に対して技術協力を要請している。
YAHOOニュース より抜粋