レアアースの応用市場である磁性材料の原料、酸化プラセオジミウムネオジムの価格が、年最低価格だった6月中旬の25万元から、現在は37万元/トンに大幅上昇している。8月27日、中国証券網が伝えた。
レアアース価格は暴落後、反転しつつある。中国の違法レアアースが淘汰され、海外のレアアース鉱山の開発が進まないことが背景にある。
--海外鉱山の採掘進まず
資源大手米モリブデン会社が発表した財務報告によると、第二四半期のレアアース販売は3039トンで、平均価格はキロあたり45.05米金だった。第一四半期の販売は3274トンで、平均販売価格は44.71米金だった。
米モリブデン会社のマウンテンパスレアアース鉱山は、内モンゴルに次いで世界第二のレアアース鉱だ。この鉱山は1990年代に、中国の低価格レアアースの攻勢を受け、一旦閉鎖されたが、2011年にレアアースが暴騰したため、再び生産再開されることになった。
同社は昨年、一期プロジェクトを完成し、操業に入ったが、運悪くレアアース価格が暴落。大損失をこうむった同社は、鉱山拡張を躊躇し、第二期プロジェクトは棚上げとなっている。
この一件は、海外のレアアース鉱山開発の縮図だ。現在、米国やオーストラリア、インドなど37カ国261社がレアアース生産プロジェクトを計画しており、これらが計画通りに操業したら、2015年以降、世界に占める中国のレアアース生産量は現在の95%から75%に低下する。
しかし、グローバル経済の低迷によって、レアアース価格は下落が止まらず、海外の開発プロジェクトも一気に下火になっている。
業界は、海外のレアアース鉱山が予定通りに開発生産されないことが、中国のレアアース価格上昇の一つの要因になっていると見ている。
--8月も引き続き価格上昇
レアアース価格は8月以降も上昇が続いている。これには、違法採掘の摘発も寄与している。4、5月には江西で大規模摘発があり、8月は多くの違法レアアースメーカーが生産停止に追い込まれた。レアアースは採掘や精錬が簡単な商品で、これまで、違法メーカーが横行し、供給や価格に大きな影響を及ぼしていた。
このほか、レアアース価格は2011年7月以来、2年に渡って下がり続けており、今回の価格上昇は一種のリバウンドという見方もある。
YAHOOニュース より抜粋