使用済み電池や電子機器などに含まれる希少資源「レアアース」(希土類)を従来の50倍の効率で取り出す技術を、九州大と住友金属鉱山が開発した。日本の沖合の海底資源として期待される「マンガン団塊」からのレアアース回収への応用が期待されている。
レアアースの回収には、抽出剤という液体を使う。鉱物を酸で溶かして抽出剤入りの油を混ぜると、レアアースが抽出剤にくっついて回収できる仕組み。しかし、電池やマンガン団塊には安いマンガンが多く含まれ過ぎているため、高価なニッケルやコバルトを回収する際に邪魔だった。
九大の後藤雅宏教授らは今回、ニッケルやコバルトだけを効率よくくっつける抽出剤を開発。液体中の濃度をこれまでの50倍に高めることができ、「従来は数十回の工程を重ねて純度を高めていたのが、1~2回で済むようになる」という。酸性度や量を調整すれば、17種類あるレアアースをそれぞれ回収できるといい、住友金属鉱山は「今後、経済性を検討していきたい」としている。
YAHOOニュース より抜粋