レアアース新鉱物、あった 東大など松山で

レアアース新鉱物、あった 東大など松山で

ハイテク製品に不可欠なレアアース(希土類)とレアメタル(希少金属)でできた新鉱物を、東大物性研究所と愛媛大の研究チームが松山市内の山地で発見した。大量に存在すれば資源化できる可能性があり、鉱床の有無や埋蔵量などを調査すべきだとしている。

この鉱物はレアアースのイットリウムとレアメタルのタンタル、ニオブの酸化物。褐色の板状または放射状の結晶で、大きさは数ミリから1センチ。松山市北部の高縄山(標高986メートル)の花崗岩(かこうがん)から発見した。3月に国際鉱物学連合から新鉱物と認定され、「高縄石」(学名・タカナワアイト)と命名した。

レアアースは花崗岩などに含まれ、中国が世界の産出量をほぼ独占している。日本の花崗岩は含有率が低いためレアアースは採掘されていないが、高濃度で大規模な鉱床が見つかれば国産化できる可能性がある。

同研究所技術職員の浜根大輔氏(鉱物科学)は「この成分が高密度に集まった鉱物は極めてまれで、レアアースの国内分布を調べる手掛かりになる。資源化には採算性が課題だが、産出条件を解明して地質が似ている場所を探せば、未知の鉱床を狙い撃ちできるかもしれない」と話している。

浜根氏は愛媛大の皆川鉄雄准教授とともに、平成13年の芸予地震で崩れた高縄山の登山道でこの鉱物を採取。当時は既存の鉱物だと思っていたが、昨年、東日本大震災で研究活動が一部中断したことがきっかけで10年前のことを思い出し、詳しく再分析したところ、既存のものとは結晶構造が異なる新鉱物と判明した。                                                   YAHOOニュース より抜粋