三菱電機は16日、2014年度をめどに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けの電気モーターを製品化する方針を明らかにした。エアコンなどの家電製品で培ったモーターの量産技術を生かし、急拡大するEVやHV市場を開拓。成長エンジンである自動車機器事業の新たな“屋台骨”の一つに育てたい考えだ。
同社は現在、中小型車向けと大型車向け電気モーターを開発中だが、中小型車向けを先行して市場投入するという。
これと同時に、モーターの生産に欠かせないレアアース(希土類)を使わない「レアアースレスモーター」の開発も合わせて進めている。レアアースは世界生産の9割以上を握る中国が生産・輸出規制を強化したことで価格が高騰。安定供給が不安視されているが、レアアースを使わないことで、コスト面でも有利な製品供給が可能となる。家電用、自動車用の両方を想定しているが、製品化の時期は未定という。
HVやEV向け電気モーターは現在、自動車メーカーが自前で開発・生産しているケースが多い。明電舎が三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」にモーターを供給している例もあるが、EVやHVの市場が発展途上のため、「採算が合わない」(関係者)との声もある。
ただ、HVやEVなど電動自動車の世界市場規模は2015年に10年比約6倍の546万台になる見通し(富士経済調べ)で、電気モーターも量産効果が生まれる。自動車各社にとっても自社生産するより外注したほうがコスト削減につながる可能性が高い。
三菱電機の10年度の自動車機器事業の売上高は約4600億円。世界シェア首位の電動パワーステアリングシステム(EPS)のほか、エンジン始動用のスターターや電源供給用のオルタネータなどの電装品を中心に展開している 。
YAHOOニュース より抜粋