中国のレアアース業界に厳しい試練、「需要と生産の不均衡」「技術進歩が消費の減少招く

中国のレアアース業界に厳しい試練、「需要と生産の不均衡」「技術進歩が消費の減少招く

中国の経済系メディア・中金在線は4日、2014年の中国のレアアース産業が、米国などの開発強化、日本の供給ルート多元化などによって「さらに厳しい試練に直面することとなる」と報じた。

記事は、2010年に尖閣諸島海域で起きた漁船衝突事件以降、中国が日本に対してレアアース輸出制限という外交カードを切ったことにより、約90%を中国の供給に頼っていた日本のレアアース業界が供給源多元化を模索し始め、12年には依存度が56%にまで下がったと紹介。

13年秋には、日本の商社がオーストラリアからの輸入を開始し、14年にはインドでの産出計画もあると伝えた。 

また、今年2月に米国上院で対中国レアアース依存の軽減、雇用の創出などを目的とした「全国レアアース協力法案」が提出されたとし、その背景には「中国による世界のレアアース市場独占状態は米国の経済や安全に悪影響をもたらす」という認識があると解説した。

記事は、日本の供給源多元化戦略ではジスプロシウムなど重要なレアアースを賄いきれず、中国依存の完全脱却は難しいこと、オーストラリアやインドで産出されるレアアースは中国産より質が悪いことなどを挙げ「日米のレアアース戦略はいまだ中国の地位を動揺させていない」と論じた。

その一方で、一部レアアース価格が下落していることを紹介したうえで「業界の疲弊がいささかの変化の前触れを示している」とした。

そして、中国の業界は現在「需要と生産量のアンバランスが市場を疲弊させ、技術の進歩がレアアースの消費量を減らしている」という対外的な影響、「計画超過、あるいは無計画な生産が増額の50%を占めている」という国内的な影響を同時に受けており、「2014年、中国のレアアースはさらに厳しい試練に直面することになる」と結論づけた。                                         YAHOOニュース より抜粋