中国レアアース企業、日立金属との訴訟準備へ 毎年数万トンのネオジウム磁石が輸出できず 

中国レアアース企業、日立金属との訴訟準備へ 毎年数万トンのネオジウム磁石が輸出できず 

中国のレアアース関連企業が日立金属に対し、特許の使用許可を不当に制限しているとして提訴する準備を始めた。レアアースの輸出をめぐるWTO訴訟が片付いていない中、この特許訴訟も再び業界を揺さぶるだろう。第一財経日報が伝えた。

中国レアアース企業の訴えによると、産出している毎年8万トンのネオジウム磁石のうち、2万から3万トンが正常に輸出できていない。これらを輸出しようとすれば、日立金属など海外企業からライセンス供与を受けなければならないが、現時点で日立金属から権利を受けた企業は8社で、そのうち正海磁材など3社は今年、日立金属と和解に達した。

もし敗訴すれば、日立の特許権は十数年延長され、この8社以外のネオジウム磁石企業の商品は海外に輸出できない。

しかし、これらのライセンスを受けていない企業が訴訟に勝った場合、みなの利益になるのだろうか。

日立金属の特許が失効すれば、多くの企業が商品を製造するようになるだろう。そうすると、新しい問題も続出する。現在ライセンスを有する企業とそうでない企業との競争が激しくなるのは必至で、ライセンス保有企業が打撃を受けるばかりか、悪性の価格競争も避けられないだろう。

実際、中国のネオジウム磁石の水準は成熟しており、日本と比較しても大きな差はない。世界で生産されるネオジウム磁石の80%以上は中国産で、中国のレアアース供給は国際市場を左右すると言ってもいい。

中国のレアアース永久磁石生産企業は知的財産権保護法を重視しておらず、正海磁材などは、自主権利を持たないまま、大金を払って日立金属からライセンスを受け、輸出している。それに比べて日本は特許保護の意識が強い。

鋼鉄研究総院の李衛氏は「中国のレアアース技術は国際的にも高いが、中国企業の特許に対する意識は強くなく、ネオジウム磁石産業の利益も薄い。結果として、企業は研究開発や特許対策に使う資金を持てない」と指摘した。

中国のレアアース高価格品市場で、中国の企業は競争力が弱く、価格決定力もないため、高コスト経営を余儀なくされている。                                         YAHOOニュース より抜粋