香港メディア・大公網は19日、「北朝鮮に世界最大のレアアース資源が埋まっている可能性がある」と発表した企業が北朝鮮との合弁による採掘計画を進めていることを紹介、埋蔵が事実ならば東北アジアの政治構図が変化することになると米国メディアが報じたことを伝えた。
大公網は、以下の内容を米メディア報道の要約として紹介した。
中国の埋蔵量の6倍にあたる約2億1600万トンのレアアースが北朝鮮に埋まっているという話が事実ならば、北朝鮮が世界のレアアース市場のリーダーとなる可能性がある。そうなれば、中国市場の地位を揺るがすだけでなく、北朝鮮と鉱産物輸入国である韓国、日本との関係改善にもつながるという見方もある。
SREミネラルズ社は昨年12月、北朝鮮国有企業との合弁による北朝鮮・定州のレアアース開発契約に署名した。ただ、開発に向けて解決しなければならない問題は多い。粗末なインフラや道路、安定しないエネルギー供給といったリスクに加え、採掘成功後には米国や国連による制裁が待っている。劣悪な作業環境が人権侵害として訴えられるかもしれない。
オーストラリア国立大学アジア太平洋研究学院の北朝鮮問題研究者は、次のように分析する。
北朝鮮政権の生存条件は「危機」と「孤立」だ。この条件を崩しかねないことから、必要な改革をするつもりはない。自国の鉱業を開放することなく、レアアース市場を牛耳る中国に資源を売り続けて外貨を獲得するだろう。ゆえに、レアアースは引き続き中国政府が主導権を握ることになり、その一方で北朝鮮政権は軍事面などで中国の後ろ盾を得続けることになるだろう。
現時点では「コンセプト上」の話とするSREミネラルズは、4月にレアアースの存在についてさらなる評価を行うという。
YAHOOニュース より抜粋