日本、レアアース調達で脱中国狙う マレーシアで調査開始

日本、レアアース調達で脱中国狙う マレーシアで調査開始

中日両国の釣魚島(日本語名称:尖閣諸島)情勢に緩和の兆しが見えない中で、日本企業は中国へのレアアース依存度を引き下げる方法を検討し始めた。

このほど、「日本の経済産業省に所属する独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、レアアース合金企業の三徳(本社:兵庫県神戸市)などと共同で、マレーシアでゼノタイム鉱石の調査に着手した」と伝えられた。日本はこの調査を通じて、鉱石中のジスプロシウムの含有量を分析し、現地の鉱山企業の抽出、精錬方法を確認した上で、2013年2月までに採掘計画をまとめ、国内に供給する計画とされる。

これについて業界関係者は、「多くの要因から、日本は中国からのレアアース輸入を避けて、より多くの資源を得る方法を模索し始めている」と指摘した。

■一部レアアースの対日本輸出減少

日本はこれまで、中国からより多くのレアアースを得る方法を検討してきた。日本、米国、欧州は世界貿易機関(WTO)に中国がレアアース輸出を制限していると訴えた。

商務部の公式サイトは、『日本経済新聞』の報道を援用し、今年上半期に日本が中国から輸入したレアアースは3007トンとなり、同期の日本のレアアース輸入量に占める割合は49.3%と、2000年以来、12年ぶりに初めて50%以下に落ち込んだことを明らかにした。2011年、日本の中国からのレアアース輸入量は前年比34%減の1.54万トンだった。2009年以前、日本はレアアース資源の9割以上を中国からの輸入に依存していた。

調査会社、百川咨詢のまとめによると、2011年から2012年8月までの間、中国産レアアースの対日輸出量は一部品目が減少した。2011年の中国産酸化セリウムの対日輸出量は32.792トンだった。また酸化ネオジムは11年通年が509.83トン、2012年1~8月は195.54トンとなり、1~8月のうち6カ月は月間輸出量が前年同月比で100%近く減少した。

アナリストは証券日報の取材に対し、「2006年から2011年まで、中国は日本にレアアース酸化物、合金など毎年約2万トンを輸出し、11年の輸出量は約1.8万トンだった。だが今年1~6月の輸出量は3000トン前後にとどまった。受注の減少がその要因の一つ。足元の経済環境が、レアアース原料の受注を減らし、輸出減につながった」と指摘した。

中国のレアアース企業は、盛和稀土を除き、まだ対日本輸出に影響が出ていないとしている。盛和稀土の胡沢送董事長は以前に、「日本企業への輸出は一定の比率を占めていたが、昨年下半期から国家政策の調整でレアアース産業全体の輸出が減少し始めた。我々は情勢に応じて多角化戦略を適時に打ち出し、積極的に国内と欧米市場を拡大する」と述べている。

9月26日、証券日報が一部レアアース上場企業に対して、レアアースの対日輸出の状況を聞いたところ、多くの企業が、輸出割り当てを把握していると表明しながらも詳細なデータは明かさなかった。ある企業は、輸出量は減らしておらず、経済情勢の影響を受けて受注が減り、輸出量が減少しただけだと説明。報告期ではないため、関連データを集計していないと答えた。

■中国を避けてのレアアース獲得を模索

中国は2008年からレアアース輸出に割り当て制度を導入し(年間約3万トン前後)、輸出量をある程度減らし、輸出価格を下支えた。2012年は輸出割り当て枠を初めて軽レアアースと重レアアースに分け、1期の割り当て枠のみを発表した。

中国産レアアースの主要な海外市場は、日本、米国、欧州の3つだ。環境保全と安売り防止のため、商務部は毎年、輸出割り当てを確定している。また、税務部と財政部が連携して、レアアース輸出関税を引き上げ、輸出量を抑制している。現在、ネオジムの輸出関税は25%に高められ、ランタン、セリウムの輸出関税も暫定的に25%となっている。重量ベースでレアアース成分が10%以上含まれる鉄合金の輸出関税も25%だ。その他のネオジム磁石の暫定税率は20%に定められている。2011年の中国のレアアース輸出量は2万トン以下に減少した。

業界専門家は以前に、「日本はレアアースの新たな調達先探しを続けており、日本のレアアース資源の多角化への努力はここ数年のことではない」と指摘している。

日本が獲得できるレアアース資源の多くはセリウムとネオジム(日本の国内需要の6~8割を確保している)だが、電気自動車、省エネ家電の電源に使用される永久磁石用のジスプロシウムなどの重レアアース資源は、中国への依存度が相変わらず90%以上だ。

豊田通商など日本企業は、ジスプロシウムなど重レアアース資源の確保に向けた取り組みを強化しており、カナダにおいて現地企業と共同で同国の重レアアース鉱山を開発することを計画する。2015年以降、日本への供給を開始できると予測されている。                                                   YAHOOニュース より抜粋