日本とベトナムがレアアースの共同研究センターを開設、「中国独占」打破狙う

日本とベトナムがレアアースの共同研究センターを開設、「中国独占」打破狙う

2012年7月16日、中国紙・中国科学報は、レアアースの供給が中国の「独占に近い状態」となっている現状を打破するため、日本とベトナムが共同でハノイに研究センターを開設したと報じた。

6月16日に開設された「レアアース研究・技術協力センター」には、日本側が4億2000万円を出資した。同センターでは日本とベトナムの研究者が共同で、ベトナムで採掘された鉱石からレアアースを分離するための研究が行われるという。

同センターを取り仕切る独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構ハノイ事務所の五十嵐吉昭氏は「最良の方法で、高品質のレアアース製品を生産していきたい」と語っている。

日本は現在、カザフスタン、インド、オーストラリアともレアアースの共同採掘を進めているが、こうした動きについて、独立行政法人産業技術総合研究所の渡辺寧氏は「日本国内で高まる危機意識を反映したもの。調達先の拡大が急務とされている」と解説する。

レアアースはハイテク産業に欠かせない希少な資源。米国議会調査部の報告によれば、世界の生産量の98%を中国が占めている。だが、中国は「資源と環境を保護するため」に輸出割当を減らしたり、尖閣沖で起きた中国漁船衝突事件の際には日本に対して輸出規制を行ったりしたことから、日本は官民一体となって中国依存からの脱却を急いでいる。

こうした動きを後押しするように、6月には東京大学の加藤泰浩教授の研究グループが、日本の経済水域に国内消費の227年分にあたる約680万tのレアアースが存在することを突き止めたことが発表され、大きな話題となった。                                                   YAHOOニュース より抜粋