海底資源の探査ラッシュに沸く世界の海

海底資源の探査ラッシュに沸く世界の海

手つかずの豊かな資源が眠る海底は、地球最後のフロンティアだ。
水産資源や金属資源、エネルギー資源の宝庫である海をめぐって今、各国の動きが活発化しつつある。

海の国境についての対立、海中の資源への期待などを背景に、世界の海は現在、探査ラッシュの状態にあるのだ。

海の底には膨大な量の原油や天然ガス、さらにはメタンハイドレートといった次世代のエネルギー資源が埋蔵されている。
また、海底の熱水噴出孔には何億年もの時を経て、銅、鉛、銀、亜鉛、金といった貴重な金属資源が集積している。レアメタルやレアアースが豊富に蓄積された海域も知られている。さらには食料となる水産資源や、失われた歴史を伝える沈没船、保護すべき海洋生物の生息域などもある。

沿岸200海里(約370キロ)以内の海は「排他的経済水域(EEZ)」とされ、各国は天然資源を探査、開発、保全、管理する権利を認められている。さらに現在、各国はこぞって、国連海洋法条約に基づいた自国の海域の拡大を意欲的に進めている。

米国も今年の6月、10年計画の長期調査に乗り出した。海洋大気庁の調査船オケアノス・エクスプローラー号とわれわれ(筆者の海洋学者ロバート・バラードら)のNPO「海洋探査基金」の調査船ノーチラス号が力を合わせ、これまでにニューイングランド海山列などを含むロードアイランド州沖合、メキシコ湾、カリブ海などの海域で、調査と三次元の地図作成を進めてきた。

調査船が赴く海の多くは、米国本土から遠く離れたところにある。だが私たちは調査の間も、陸上にいる海洋学者や専門家たちと常に連絡を取り合っている。何か発見したときには、科学者たちがあたかも船上にいるかのように機器を操作したり、リアルタイムで成果を分かち合ったりすることもできる。
  これから始まる航海は、誰もが参加できる探求の旅なのだ。                                         YAHOOニュース より抜粋