日本近海に眠るレアアース(希土類)や希少金属のありかを探る新しい研究調査船の建造に、文部科学省と海洋研究開発機構が乗り出す。海底資源は、沖縄や小笠原諸島(東京都)の周辺などで存在が確認されているが、詳しい分布や量ははっきりしていない。新しい研究調査船で調査を急ぎ、採掘につなげたいという。
沖縄や小笠原で 近年、海上保安庁や東京大などの調査で、日本周辺の分布海域がおおまかに分かってきた。沖縄や小笠原諸島近海には、海底から熱水とともに噴き出た鉱物が沈着した「熱水鉱床」が点在し、希少金属のガリウムやビスマスなどが豊富に含まれているという。ガリウムは発光ダイオード(LED)に利用される。ビスマスは、低温でも溶ける合金の材料として、温度上昇を感知して放水するスプリンクラーに使われている。また、小笠原諸島の南鳥島付近には、強力な磁石に欠かせないネオジムやジスプロシウムなどのレアアースを含む泥が分布している。
多くは水深1000メートル以上の深海にあって、掘削費用を少しでも抑えるため、よりたくさん存在する場所を狙う必要がある。計画では、全長100メートル、幅20メートルで約5000トン。海底無人探査機を複数台搭載。海底下約50メートルから試料を採取し、船上で分析する機能を兼ね備える。来年度から建造を始め、3年後の完成を目指す。建造費は二百数十億円を見込む。
YAHOOニュース より抜粋